ボージョレ・ヌーボーの魅力に迫る|ワインの種類とおいしい飲み方
ワインは豊かな香りと味わいで、食事や会話を一層楽しいものにしてくれる飲み物です。一口にワインと言っても、その世界は奥深く、種類もさまざまです。その違いを理解し適切な飲み方を知ることで、ワインの魅力をより深く味わうことができます。
中でも、新鮮な果実味と華やかな香りが特徴の「ボージョレ・ヌーボー」は、毎年11月に解禁されると大きな話題を呼びます。今回の記事ではそんなボージョレ・ヌーボーの魅力をはじめ、代表的なワインの種類とそれぞれの特徴、そしてワインをおいしく飲むための方法について解説します。
ワイン初心者はもちろん、すでにワインを楽しんでいる方にも、さらにワインを深く理解し楽しむための発見があるかもしれません。
おなじみの雑学クイズも紹介しているので、ぜひチャレンジしてみてください。
ワインとは?
ボージョレ・ヌーボーについて紹介する前に、そもそもワインとはどのような飲み物なのかを見ていきましょう。
ワインとは主にブドウを原料とした「醸造酒」のことで、極めて歴史の古いお酒の一つといわれています。ブドウがつぶれて出てきた果汁が発酵し、やがてアルコールを含む液体となったのがワインの原形です。
醸造酒とは、原料に酵母を加えてアルコールへと発酵させる製法です。ワインの他に、ビールや日本酒なども同じ製法で造られるため、醸造酒に分類されます。
目次に戻るワインの種類
ワインといえば赤ワインと白ワイン、2つの大きなカテゴリーがありますが、実は他にも主要な種類がいくつかあります。
どのようなワインがあるのか、それぞれの違いや特徴について詳しく見ていきましょう。
赤ワインと白ワインの違い
赤ワインは、ブドウの果皮を一緒に発酵させて造られます。果皮に含まれるタンニンが、赤ワインの特徴的な渋味や苦味を生み出します。コクのある味わいと豊かな香りが特徴で、ステーキやチーズなどの濃厚な食べ物との相性が良いとされています。
一方、白ワインはブドウの果皮を取り除いて発酵させるためタンニンの影響が少なく、軽やかな味わいと爽やかな酸味が特徴です。魚料理やサラダなどのあっさりとした料理との相性が良いでしょう。
ロゼワインの特徴
ロゼワインは、赤ワインと白ワインの中間の色合いを持つワインです。「ロゼ」はフランス語で「バラ色」を意味し、名前の通りピンクのバラのような色を楽しむことができます。
一般的にワインボトルは光からワインを守るため、茶色や緑色のような色付きのボトルがほとんどですが、ロゼワインは色を楽しめるよう無色透明のボトルに入れられていることが多いです。
ロゼワインの味わいは、赤ワインよりタンニンが穏やかで白ワインのように酸味があり、フルーティーなものが多いのが特徴です。赤ワインと白ワインの中間のワインということもあり、どんな料理にも合わせやすいといわれています。常温ではなく、適温に冷やして飲むのがおすすめです。
スパークリングワインの特徴
スパークリングワインは華やかな泡立ちが特徴のワインで、3気圧以上の炭酸ガスを含んだ発泡性ワインの総称です。含まれている炭酸ガスが1〜2.5気圧の場合はセミスパークリングワインに分類され、1気圧未満の場合はスパークリングワインとは見なされません。
泡のきめ細かさが重視されており、一般的に泡粒の大きさが小さいほど高品質だと考えられています。
スパークリングワインの中でも「シャンパン」は、フランスのシャンパーニュ地方で造られ、かつフランスのワインの法律に規定された条件を満たしたものだけが名乗れる名称です。製造にさまざまなコストがかかるため、一般的なスパークリングワインよりも高価なものとされています。
スパークリングワインは特別な場やお祝いの席などで人気があり、華やかな飲み物として扱われることが多いです。
デザートワインの特徴
デザートワインとは、甘口ワインのことを指します。明確な基準が定められていないため、さまざまな方法でブドウの糖度を高くしたり、アルコールの発酵を途中で止めることで糖度を維持したりと造り方も多種多様です。
デザートワインに分類されるワインをいくつか見ていきましょう。
アイスワイン
アイスワインは凍った状態のブドウを収穫して造られる甘口ワインです。凍ったままのブドウをプレスすると、糖分や旨味が凝縮された濃度の高い果汁のみを抽出できるため、甘味を増したワインに仕上がるのです。
厳しい気候条件のもとでの収穫となるため、希少価値が高くデザートワインの中でも高価なワインです。
貴腐ワイン
貴腐(きふ)ワインは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)といわれるカビが付着したブドウから造られる極甘口ワインです。ブドウに付着した貴腐菌により果皮の組織が破壊されると、ブドウの水分が蒸発して糖度が高くなります。
貴腐菌をブドウに付着させてうまく生育させるためには、限られた環境下でさまざまな条件が揃わなくてはならないため、デザートワインの中で最も希少価値の高いワインといわれています。
遅摘みワイン(レイトハーベスト)
通常よりも遅い時期に収穫されたブドウを使用して造られる、甘口ワインのことです。意図的に収穫を遅らせることによってブドウの水分が蒸発し、糖度が高くなります。
日本では北海道で造られている、「ケルナー」という品種の白ブドウを使った遅摘みワインが有名です。
目次に戻るワインをおいしく飲むためのポイント
ワインの魅力を最大限に引き出すためには、4つの重要なポイントがあります。
おいしくワインを飲むために、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
①ワインの適切な温度
ワインを最もおいしく飲むためには、温度管理が重要です。
一般的に、白ワインは冷やした方がフレッシュな味わいや酸味が引き立ち、赤ワインは常温の方が豊かな香りや味わいが楽しめるといわれています。
一概には言えませんが、赤ワインは常温で12℃〜20℃、白ワインは冷やして6℃〜14℃で飲むのがおすすめだそうです。20℃を超えると熟成のスピードを速めてしまい酸化が進んでしまうので、注意しましょう。
また、品質を維持するために、急な温度変化は避けるべきです。ワインを温めたい場合は常温で置いておくと良いでしょう。冷やしたい場合は氷水を入れたアイスペールにボトルごと入れておく方法がおすすめです。
②適切なグラスの選び方
ワインを飲む際には、適切なワイングラスを選ぶことも重要です。ワイングラスは多種多様で、形状や大きさによってワインの香りや味わいにさまざまな影響を与えます。
飲み口が広いグラスは、ワインを口に含んだときに香りが広がりやすくなっており、舌全体にワインの味が広がるため、同じワインを飲んでも酸味が強調されたように感じます。
一方、飲み口が狭いグラスはワインの香りをグラス内に長く留めることができるため、ワインの果実味を感じた後に、さらに酸味やミネラル感も余韻として味わうことができます。
どのグラスを使えば良いか分からない場合や、ワインビギナーは「キャンティ型」のワイングラスを選ぶと良いでしょう。キャンティ型は、ワインの酸味や渋味、果実味をバランス良く味わうことができるため、赤ワインから白ワインまで幅広く使うことができます。汎用性が高いので、1つ持っておくと良いかもしれません。
またスパークリングワインには、泡の軌道が美しく見える「フルート型」のグラスがおすすめです。飲み口が狭くて細長い形状をしているため、空気に触れる面が少なく炭酸が抜けにくいという特徴があります。
【参考】 https://wine.sapporobeer.jp/article/wine_glass/
③ワインの飲み頃と保存方法
ワインは賞味期限がないうえに、光や温度などさまざまな要素によって熟成の度合いが変わってくるため、飲み頃を見極めるのは大変難しいといわれています。
価格帯ごとに大きく分けて飲み頃を判断するのであれば、コンビニやスーパーで売られているお手頃価格のワインやスパークリングワインは熟成する必要がなく、購入してからすぐに飲むと良いでしょう。
一般的な中価格帯のワインであれば赤ワインなら2〜3年以内、白ワインであれば1〜2年以内に飲むのがおすすめです。
また、ワインは光や温度の変化に敏感なため、適切な環境で保存することが最重要です。保存する際の温度は13℃〜15℃、湿度は70%〜80%が理想的とされており、温度の変化が少なく、日光や屋内の光が当たらない冷暗所での保存が適しています。
家庭で保存する場合は、冷蔵庫の野菜室などで保存すると良いでしょう。しかし、温度や湿度がワインにとって最適ではないため、1年以上保存する場合はワインセラーでの保存が推奨されています。
【参考】 https://wine.sapporobeer.jp/article/wine_storages/
④ワインのテイスティング方法
ワインのテイスティングは、見る、嗅ぐ、味わうの3つのステップで行います。
まずはワインの色や透明度を見て、品質や熟成度を判断しましょう。色や透明度は、ワインの種類や熟成度を知る手掛かりとなります。赤ワイン、白ワインともに高品質なものほど色が透き通っています。
次にワインの香りを嗅いでみましょう。香りを嗅ぐことで、ワインの特徴や個性を感じ取ることができます。花や果実、スパイスの香りなどさまざまな香りがありますが、果実の香りがはっきりとしているものほど、品質の高いワインだといわれています。
1度目はそのまま、2度目は「スワリング」してから香りを確認します。スワリングとは、グラスを軽く回してワインに空気を含ませることです。空気を含ませることで、ワインの味や香りの変化を早めることができます。
最後は少量のワインを口に含んで、味わいの変化や余韻を感じ取ってみましょう。ワインの味わいは、酸味、甘味、苦味、渋味、旨味などさまざまな要素があり、非常に幅が広いといえます。ワインの味わいを確認する際は口に含んですぐに飲んでしまうのではなく、舌全体を使ってゆっくりと味わいましょう。
【参考】 https://www.adv.gr.jp/blog/tasting/
目次に戻るボージョレ・ヌーボーとは?
ワインの基礎知識について解説してきましたが、ここからはボージョレ・ヌーボーについて詳しく見ていきましょう。
ボージョレ・ヌーボーは、フランスのボージョレ地区で造られる新酒ワインのことです。「ヌーボー」はフランス語で「新しい」という意味で、名前の通りその年に採れた新鮮なブドウだけを使用しています。
フルーティで軽やかな味わいと華やかな香りが特徴で、毎年11月の第3木曜日に解禁されます。
ボージョレ・ヌーボーの誕生秘話
もともと、ボージョレ・ヌーボーは手軽に楽しめる日常酒として地元民に愛されており、公式に販売されることがフランス政府から認められたのは1951年でした。
ボージョレ・ヌーボーが徐々に世界でも注目を集め始めた頃、売り手たちの早出し競争による品質低下が懸念されるようになってしまいます。ボージョレ・ヌーボーの品質を維持するため、フランス政府は全世界で共通の解禁日を定めました。
さまざまな経緯があり、1985年以降からボージョレ・ヌーボーの解禁日は「11月の第3木曜日午前0時」となりました。日本では日付変更線の関係上、本場フランスより約8時間早く解禁日を迎えるので、いち早くボージョレ・ヌーボーを入手することが可能です。
最初は地元民の間で親しまれていたボージョレ・ヌーボーですが、現在では誰もが1度は「ボージョレ・ヌーボー」の名を聞いたことがあるほど、世界で最も有名な新酒ワインとなっています。
ボージョレ・ヌーボーはなぜ人気なの?
ボージョレ・ヌーボーの魅力は大きく分けて2つあり、それは「味わい」と「製法」です。
飲みやすいフルーティーな味わい
ボージョレ・ヌーボーといえば、フレッシュで渋味が少なくフルーティーな味わいが人気の理由の1つです。
ボージョレ・ヌーボーは「ガメイ」という品種の黒ブドウのみを使用して造られています。ガメイは果皮が薄いため、渋味のもととなるタンニンが少なくフルーティーで、イチゴやサクランボのような香りが特徴です。
ガメイの収穫からわずか数週間という短い期間で瓶詰めされるので、一般的なワインより新鮮さが際立ち、フレッシュな味わいを楽しめます。
特別な製造方法
ボージョレ・ヌーボーの軽やかでフルーティーな味わいは、製法にも秘密があります。
通常の赤ワインの製法では、発酵前に種や果皮ごとブドウを破砕するので、タンニンが果汁に抽出されながら発酵が進み、赤ワインの特徴ともいえる渋味が生まれます。
対してボージョレ・ヌーボーは、ブドウを房ごとタンクに入れて一定の間炭酸ガスに漬けておくことにより、ブドウの果汁が自然に発酵しタンニンが抽出されにくくなる「マセラシオン・カルボニック法」という特別な製法で造られています。
渋味がおさえられることで、よりフルーティーな味わいとなり、多くの人にとって飲みやすい仕上がりとなっているのです。
目次に戻るワインにまつわる雑学クイズにチャレンジ
ワインやボージョレ・ヌーボーについての雑学クイズを用意してみました。問題は全部で5問出題されます。
ぜひ、クリアを目指してチャレンジしてみてください!
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まとめ
今回はボージョレ・ヌーボーをはじめ、代表的なワインの種類やワインの楽しみ方について解説しました。
1年に1度の特別なワインとして話題になることが多いボージョレ・ヌーボーですが、詳しく知れば知るほど実際に味わってみたくなったのではないでしょうか。
ワインはデリケートな飲み物なので、保存する際は光や温度などに注意が必要です。自分の好みや目的に合わせて適切なワインを選び、適切な飲み方でワインを楽しみましょう。
ワインにまつわる雑学クイズを作成するにあたって使用した「QuizGenerator」は、登録不要かつ無料でオリジナルのクイズを作ってSNSやWebサイトで共有することができます。
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